当拠点の若手研究者は、COIの研究開発はもちろん、学会発表や講演活動など様々な場面で活躍しています。COIプログラムにおいては、若手の活躍を促進する機会として、「COI若手連携ファンド」が実施されています。

若手連携研究ファンドとは

社会実装に向けた研究開発を加速するためビジョン横断型又は拠点横断的な研究開発連携の活性化を目指すJSTが、従来の枠に納まらない斬新で柔軟な発想やこれまでの常識を超える発想、異分野・異業種・他機関との対話等を実行する行動力を有する若手研究者が研究企画から主体となって行う連携研究を支援する制度です。

若手連携研究ファンド採択状況

*は連携研究代表者、それ以外は共同研究者
所属・職位は採択当時のものです。

平成29年度(2017)

地域・職域でのロコモティブシンドロームの早期発見、予防・改善を目指した生活機能低下予防システムの構築

石島旨章

石島旨章*

(順天堂大学 大学院医学研究科整形外科・運動器医学 准教授)

ロコモニターを用いたデータ収集解析および該当者のスクリーニング・予防的行動を促進するアプリケーションの開発

松村耕平

松村耕平

(立命館大学 情報理工学部 助教)

ロコモティブシンドローム予防・改善のための運動プログラムの継続を促進する方法論の開発に関する検討

地域・職域において、携帯端末アプリケーション(ロコモニター)によって特定された“働き世代”の生活機能低下ハイリスク者に対し、運動プログラムと継続促進システムによるロコモティブシンドロームの予防・改善効果について検討する。青森県弘前市の住民や各拠点が立地する複数の自治体の企業にアプリを配布し、ロコモティブシンドロームの該当者を抽出する。抽出された住民および企業勤務者を無作為に介入群と対照群に分け、運動プログラムおよび運動継続の効果を比較検討する。 本研究では、各拠点において開発されたロコモ予防に有効とされる試みを組み合わせ、革新的な介護予防システムの開発につなげる。

運動誘導継続に向けたバイタルデータのアート化システムの構築と社会実装にむけた研究開発

岡田志麻

岡田志麻*

立命館大学 理工学部 准教授

バイタルデータのアート化システムの構築

【目的】 センシングウェアにより心拍数、発汗、呼吸数、筋電位、関節角度を取得し、そのバイタルデータを音や映像に「アート」の観点から変換するシステムの構築を目指す。本システムは「運動する本人」が楽しくなる、「観客」が楽しくなるようなスポーツプロモーションシステムとして社会実装していく。

【斬新性】 本連携では、生体情報の取得、情報のアート化、効果検証および社会実装までの一連の流れを理工学、音響科学、作曲学、心理学、経営学の専門家が協力し、運動者を身近に感じる「共感」を醸成することが可能となるプロモーションを提供しようとする斬新かつ独創的な取り組みである。

平成30年度(2018)

健康寿命の延伸を目指したマイオカインの機能解明とそのサプリメント化の実証に向けた基盤研究

菅唯志

菅唯志

(立命館大学 スポーツ健康科学部 助教)

健常高齢者における個別化された運動療法によるマイオカインの動態解析

棗寿喜

棗寿喜

(順天堂大学 博士研究員)

心血管病患者における個別化された運動療法によるマイオカインの動態解析

本研究では、運動により骨格筋から分泌されるホルモンの総称であるマイオカインの役割に着目し、健康寿命や疾患重症度を予測するバイオマーカーとしての活用に向けて、まず基盤構築のためのマイオカインの網羅的探索を行う。また、年齢や体力、さらには個々の病状に応じて効率よくマイオカインを増やすことができるテーラーメイド型の運動療法を開発する。さらに、十分な運動療法を行えない体力低下が顕著な高齢者・要介護者、さらには重症の心血管病患者に対して運動療法とマイオカイン補充療法の組み合わせによる疾病予防および健康寿命の延伸を目指しており、将来のマイオカインのサプリメント化へ向けた基盤構築のための臨床研究を実施する。

社会実装を目標としたバイタルデータアート化システムの実現

岡田志麻

岡田志麻*

(立命館大学 理工学部 准教授)

バイタルデータのアート化システムの構築

沢田秀司

沢田秀司

(順天堂大学 博士研究員)

アスリートから高齢者までのシステム導入を目指した生体適合性検証

本研究では、スマートウェア技術を応用した着るだけで簡単に筋電位を計測できる装置を基盤技術とし、取得したバイタルデータを音や音楽、光に変換するバイタルデータアート化システムを構築する。具体的なゴールとして、立命館大学を中心に実用化に耐えうるバイタルデータアート化システムの開発つまりハードウエアの完成を目指す。次に生体適合性の観点、スポーツプロモーションの観点からアプリケーション探索を行う。最後に、開発したシステムや探索、実装したアプリケーションに対して、定量的な評価を行うことでバイタルデータアート化システムとしての社会実装、また共感覚の観点から新しいコミュニティ形成促進の評価についても検討する。

地域・職域でのロコモティブシンドロームの早期発見、予防・改善を目指した生活機能低下予防システムの構築

松村耕平

松村耕平

(立命館大学 情報理工学部 講師)

運動の継続性を高めるソーシャルネットワーキングシステムとリコメンデーションシステムの開発

石島旨章

石島旨章*

(順天堂大学 大学院医学研究科整形外科・運動器医学 准教授)

ロコモ検知用携帯端末用アプリでの技術統合によるシステムプラットフォームの開発

課題代表者らはH29連携研究課題(H29W06)において、ロコモティブシンドロームの早期発見、予防・改善につながるシステムを構築した。現在はシステムの実証を進めているが、個人の行動変容(予防・改善行動)につなげるための新たな課題が見えてきた。そこでH30年度は、①ロコモの新しい評価指標の作成、②新運動メニュー作成、③行動変容をサポートするAIの開発、④技術を統合したアプリ開発の4テーマで研究を進める。個人が行動変容によるロコモ改善(健康増進)を日々確認し、行動変容の継続を半自動的に促進することができるシステムを構築する。最終的には、2年間で構築するシステムを社会全体に普及させ、『寝たきりゼロ社会』の実現を目指す。

ほぐして眠る:良質な睡眠獲得のための刺激技術の実証〜中医学的刺激法の導入に関する検討

岡田志麻

岡田志麻

(立命館大学 理工学部 准教授)

【座位での安眠状態把握】中医施術中からの睡眠が通常仰臥位の睡眠とうたた寝のどちらに近いかの検討

良質な睡眠は健康=ホメオスタシス維持の基盤である。鍼灸やマッサージ(推拿)は人体に刺激を与えるが、施術中に心地よく寝てしまうことが知られている。本研究では、鍼灸・推拿をホメオスタシス維持の刺激技術と考え、それらの刺激反応特性、刺激特性についてセンサ開発とともに実証的に検討する。同時に中医術中からの睡眠が通常の睡眠とうたた寝のどちらに近いかについて脳波等から検討し、中医術刺激がより良い睡眠の導入となるのか実証的に検討、中医術刺激デバイス開発の可能性を検討する。中医臨床家の協力も得て多様な臨床生体反応を計測し、統計学・AI を駆使して、「ほぐして眠る」技術開発、環境の実現の可能性を検討する。

地域コミュニティで「育てる」ローカルモビリティを支援するためのデジタル技術[デジタル分野・連携研究]

松村耕平

松村耕平

(立命館大学 情報理工学部 講師)

コミュニティーデベロップメント・エンゲージメントのためのデジタルハブ技術

我々が目指す将来の都市のビジョンとして、市民主導の都市デザインがある。本研究では、持続可能なモビリティのモデルとして、「地域コミュニティで育てるモビリティ」の実現を目指す。「地域コミュニティで育てる」とは、地域コミュニティがデザイン・製作・管理運営に参加するということである。これを支えるデジタル技術として、本研究では3Dプリンタをはじめとする高速・低価格なデジタル造形技術や、インタラクティブな情報共有技術の可能性を検討する。対象とするモビリティとしては、小型バスとハブ空間(多様なアクティビティを許容するバス停)を想定する。

令和元年度(2019)

運動効果におけるマイオカインのエビデンス構築に向けた基盤研究

菅唯志

菅唯志

(立命館大学 スポーツ健康科学部 助教)

健常若年者における運動療法における効果とマイオカインレベルの関連

棗寿喜

棗寿喜

(順天堂大学 COIプロジェクト室 特任助教)

心血管病患者における運動療法における効果とマイオカインレベルの関連

人体最大臓器である骨格筋から分泌されるホルモン(マイオカイン)を培養細胞およびヒトの血液サンプルを用いて、若返りや健康維持、病態改善に有用なマイオカインを選定する。その産生および分泌における分子機序の解明および生理、病態生理機能を遺伝子レベルから代謝産物レベルまで包括的に探求する。年齢、性別、疾患の有無に関わらず、血液中のマイオカインが健康寿命の延伸や疾患の予防や治療に広く活用できる運動様式を開発する。運動実施が困難な場合にもマイオカインの恩恵が受けられるよう、創薬・サプリメント化・機能性食品の開発の基盤を構築する。

低出生体重児の客観的理解を目指した生理学的指標の解明と睡眠介入プログラムの開発に向けた基盤研究

岡田志麻

岡田志麻

(立命館大学 理工学部 准教授)

NICUにおける早産期出生児の生体リズム計測とその阻害環境要因の検討

本連携研究の目標は、低出生体重で生まれ、認知や社会性の発達において若干の非定型的な発達を示す子どもたちが、養育者とともに笑顔で生活することのできる世の中をつくることである。この目標を達成するため、本連携研究では、新生児集中治療室(NICU)の保育器環境から退院後の家庭生活における生活リズムと発達の関連を明らかにすることを通して、低出生体重児の発達を支える支援プログラムを検討する。平成31年度は、大脳皮質機能と言語や社会性・視知覚機能の関連、睡眠介入と知的発達の関連に加え、NICUでの環境因子と体動・バイタルサイン、その後の発達の関連について調査を進め、子どもの発達を促す個別支援プログラムの社会実装を目指す。

ほぐして眠る:良質な睡眠・緊張回復のための刺激技術の開発〜中医学的刺激法の導入に関する研究

岡田志麻

岡田志麻

(立命館大学 理工学部 准教授)

【中医施術中の自律神経,中枢神経指標の計測デバイス開発】中医施術中の反応を計測するためのデバイス開発、およびストレス回復となっているかの評価方法の検討

良質な睡眠は体調維持=ホメオスタシスの基盤である。鍼灸やマッサージ(推拿)は人体に刺激を与えるが、施術中に心地よく寝てしまうことが知られている。本研究では、鍼灸・推拿をホメオスタシス維持の刺激技術と捉え、実証的にそれらの刺激反応特性、刺激特性についてAIを用いて解明するとともに適切な計測方法の開発をする。そして睡眠・緊張回復をもたらす刺激技術の評価と実装装置の開発を目指す。実証的検討においては中医臨床家の参加により多様な臨床生体反応を計測し、「ほぐして眠る」技術開発、環境の実現の可能性を検討する。(2019.2 特許出願)大阪大:刺激反応実験・計測、 立命館大:睡眠・疲労回復評価

大学生がプロデュースする複数COI拠点による協働社会実装イベント「COI x SDGs produced by Students」の実現と方法論の構築

橘由里香

橘由里香*

(立命館大学 総合科学研究機構 助教)

複数COI拠点の協働社会実装イベントによるCOI拠点と大学生のWin-Winな関係の構築

COIの各拠点内では、サテライト・参画機関との連携が醸成し社会実装実験が活発に行われている。しかし複数のCOI拠点の協働社会実装イベントを見ることは未だにない。また、イベントはCOI担当教員とその研究室の学生で運営されることが大半である。社会実装に一般大学生の「若い力」を取り入れる試みは、COI拠点と学生の双方に利益があることは同感される。しかし学生リソースの確保と教育の難しさから行いたくても行えない拠点も多い。本研究では、複数COI拠点の一般学生が「SDGs」をテーマに協働で社会実装イベントに取り組み、参加者には拠点連携による一層幅広い未来像、学生にはキャリア形成の場、COI拠点には多様なステークホルダーを提供する。
※本研究は、令和2年度より、COI構造化チームの「若手人材の活躍促進・支援活動」の活動としてCOIプログラム期間終了まで取り組まれることになりました。

女子学生の美活動推進システムの構築とサイバー空間実装~不活動女子の健康美ボディ化計画~

松村耕平

松村耕平*

(立命館大学 情報理工学部 講師)

効果的な運動プログラム実施のための振り返りシステムの開発

本間康弘

本間康弘

(順天堂大学 大学院医学研究科整形外科 運動器医学 講師)

不活動女子学生の美活動推進システムの構築及び有用性の検証

若年女性が運動しない「不活動」は、将来的な健康リスクの観点から大きな問題であり、特に女子学生においては深刻である。そこで本研究では、女子学生に焦点を置き、「不活動」から「美活動」を推進するためのシステム構築を目的として、女子学生の「不活動」の実態を調査し、個人に適したオーダーメイドの運動プログラムを提示、プログラムの実施に関するフィードバックを動画認識で行い、「美活動推進システム」を構築してサイバー空間(アプリケーション)に実装、その有用性について検証を行う。最終的に構築されたシステムを社会全体に普及させ、健康長寿社会の実現につなげる。

令和2年度(2020)

スマホアプリ「ドライアイリズム」用いたクラウド型大規模臨床研究実施による個別医療ビッグデータの収集・解析によるドライアイの自覚症状と重症化因子の層別化[デジタル分野・連携研究]

猪俣武範

猪俣武範*

(順天堂大学 医学研究科 眼科学 准教授)

スマホアプリ「ドライアイリズム」用いたクラウド型大規模臨床研究実施による個別医療ビッグデータの収集・解析によるドライアイの自覚症状と重症化因子の層別化

高齢化・デジタル化の進む現代社会において視機能の改善はQuality of Lifeの向上において重要である。ドライアイは本邦で2,000万人以上が罹患する最も多い眼疾患であり今後も増加が予想されている。ドライアイは視機能の低下、労働生産性の低下、抑うつなどを引き起こし不活動を引き起こす。また、ドライアイの自覚症状は多岐にわたり、外的因子、宿主因子、生活習慣などが複合的に関連して発症や経過に影響を及ぼす。そこで本研究提案では、スマホアプリを開発・運用し個々人の医療ビッグデータを収集し、個々人のドライアイの自覚症状や重症化要因を明らかにすることにより、層別化による将来の個別化・先制医療の実用化を目指した研究開発を行う。