運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくる アクティブ・フォー・オール拠点 文部科学省/国立研究開発法人科学技術振興機構 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM) アクティブ・フォー・オール拠点 9年間の軌跡と次のステージに向けて 12/10 2021 vol.7
運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくる アクティブ・フォー・オール拠点とは? センター・オブ・イノベーションとは? 研究開発をしてきたのはどんな人たち? vol. 7 003 アクティブ・フォー・オール拠点の概要 005 アクティブ・フォー・オール拠点の軌跡 009 アクティブ・フォー・オール拠点と次のステージに向けて プロジェクトリーダー ...... 田中 孝英 研究リーダー ..................... 伊坂 忠夫 サテライトリーダー .......... 内藤 久士 011 “Active for All” 実現のプラットフォームと商品サービス スマートRバイク・ザ・ライド <HOS株式会社> ポータブルピンスポットオーディオ <株式会社Value Link Technology> ボイスピックアップマイク <株式会社ソニックアーク> エクササイズ体感デバイス <株式会社STYLE> 015 医療現場での展開推進 016 若手人材の活躍促進 017 NEWS & TOPICS 2021.12.10 9年間の軌跡と次のステージに向けて センター・オブ・イノベーション(COI)は文部科学省と国立研究開発法人 科学技術研究機構(JST*)が進める研究成果を 実社会に還元するために、事業化を支援する産学連携の長期大型プロジェクトです。 *JSTは科学技術振興を目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人。 立命館大学と順天堂大学などと、素材・医療、計測機器・フィットネス・IT・住宅などに関係する多数の企業が産学連携 にて運動の生活カルチャー化を目指して商品・サービスを研究開発してきました。 2013 年より COI プログラムに採択され、立命館大学を中核機関、順天堂大学をサテライト機関として多数の企業が参画 するプロジェクトです。 「運動・スポーツ」と「医療」の両側面から健康を維持・増進しすべての人々をアクティブな状態へ誘導します。 また、運動を通して人と人がつながりを持ち、フィジカルとサイバーの両空間において世代を超えて多様なコミュニティ が形成されることで健康で幸せな社会づくりに繋がると考えています。 002 001
designed by freepik.com センター・オブ・イノベーションと アクティブ・フォー・オール拠点 順天堂大学 立命館大学 Bright Future for All Ages Active for All with Health Innovation by Daily Exercise 運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくるアクティブ・フォー・オール拠点 センター・オブ・イノベーション(COI)は、文部科学省と国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が進める研究成果を実社会に還元するた めに、事業化を支援する長期大型プロジェクトです。立命館大学、順天堂大学の他に多数の大学がこの研究プロジェクトを実施しています。 立命館大学、順天堂大学が取り組んでいるのがアクティブ・フォー・オール拠点。「運動の生活カルチャー化」を合言葉に、運動を通じて多様な 人たちと交流できるような社会を作り、健康寿命の延伸を目指して、日々の研究開発を行っています。 オムロンヘルスケア㈱ パナソニック㈱ 大和ハウス工業㈱ ㈱デンケン 立命館大学 順天堂大学 空間シェアリング事業 研究開発テーマ 空間シェアリング の実用化 オムロンヘルスケア㈱ ㈱ウェルネスメディカル研究所 立命館大学 順天堂大学 バイオシグナル アート事業 研究開発テーマ 運動誘導/ 継続の実現 スポーツ参加率向上 健康寿命延伸、寝たきりゼロ アクティブ・フォー・オール拠点の目指すもの 知らず知らずのうちに運動へ誘導し、運動を通して人と人とが繋がりを持ち、フィジカルとサイバーの両空間において 世代を超えた多様なコミュニティが形成され、楽しみながら運動を継続することで「運動の生活カルチャー化」の実現と 「健康寿命の延伸」を目指します。 ICT 活用遠隔 スポーツ指導システム スマート生活用品 / 玩具 スポーツ / トレーニング機器 下肢用衣服・帽子・靴下の スマートウェア化 健康データベースを利用した マーケティング / 潜在的需要探索 アスリート用 運動プログラム 美容サプリ 音像フォログラム利用 コミュニケーション機器 音像アミューズメント 子ども / 高齢者の 見守り オムロンヘルスケア㈱ 東洋紡㈱ HOS㈱ 立命館大学 順天堂大学 滋賀医科大学 スマートウェア事業 研究開発テーマ スマートウェア の実用化 003 004 アクティブ・フォー・オール拠点 実用化・社会実装ス 基盤技術開発ステー 運動の生活カルチャー化 2022 年以降 第3フェーズ 事業化/社会実装 2019年-2021年 第2フェーズ 応用技術開発 2016年-2018年 第1フェーズ 学理探究/基盤技術開発 2013年-2015年 子どもの運動量増加 アスリート支援 認知症予防 ロコモ / メタボ予防 東急不動産㈱ ㈱ニッピ 順天堂大学 (順天堂COI拠点外活動) ロコモ予防 研究開発テーマ 発症予防 進展予防 ロコモ 社会実装に向けた商品・サービス開発 事業化グループ(参画企業・大学) future
スマートウェア機能モデル実現(Tシャツ型、技術応用展開) スマートウェア機能向上 スマートウェア現状課題抽出、市場調査による実装戦略の策定 製品試験(JIS、ISO)の完了・製品アプリケーションの実装 インターフェイス部の実装 研究開発項目 2013~2018年 スマートウェア の実用化 ●日本で定額制動画配信サービス開始 ●マイナンバー制度がスタート ★大阪いばらきキャンパス 開設 ●65歳以上の人口の割合、総人 口に対して26%に ●インターネット、ICTの普及が 新興国、発展途上地域でも急 激に普及が進む ●国内の携帯電話総出荷台数 に占めるスマートフォン比率 が約86%に ★薬学研究科を設置 ●リオ五輪開催、日本勢メダル ラッシュ ●ICTによる消費促進例として、 ネットショッピングとリアル店 舗の連携サービスが始まる ●渋滞予測、電車遅延など様々 な場面でのIoTとAI活用が始 まる ●第5期科学技術基本計画にお いて「Society 5.0」が提唱さ れる ★総合心理学部設置 ●2020東京五輪開催決定 ●65~69歳のインターネット 利用状況が60%以上 ●15歳以下の人口が32年連続 で減少 ★大連理工大学と共同で「大連 理工大学・立命館大学国際情 報ソフトウェア学部」を開設 ●・・・社会の動向 ★・・・立命館大学拠点の変遷 ●・・・プラットフォーム構築 および起業 ●JAXA、GPSの制度を高める 「みちびき2号」打ち上げ ●生産年齢人口減少や地方創 生においてICTの利活用が期 待され、テレワーク推進も ●スマートフォンの保有率がほぼ 一人一台に ●スマホでスポーツのライブ配 信サービスで観戦する人が 100万人を超える ★BKCスポーツ健康コモンズ開設 ●働き方改革関連法案が成立 ●BS、CS放送で4K・8Kの実用放送開始 ●運動不足が世界に蔓延、日本でも3人に1人 が運動不足、WHOが報告 ●学校教育法の一部改正により「デジタル教科 書」が使用開始 ★食マネジメント学部設置 ★人間科学研究科設置 ★新しい時代の高等教育・研究機関を目指す学 園ビジョン「R2030」を策定 アクティブ・フォー・オール拠点の軌跡 1 COIトライアル フェーズ1:学理の探求・基盤技術開発 フェーズ2:応用技術開発 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2013 2014 2015 2016 2017 2018 ロコモ対策支援機器等の予防効果の科学的な証明 ロコモ察知マーカーのリストアップと測定法の確立 アンチロコモサプリ用原料のロコモ予防効果の科学な証明 ロコモセンシング技術によるロコモ予備軍の定義と対象者を決定 宇宙飛行士のロコモ加速対策ノウハウ一般化に基づくロコモ対策運動プログラム(試作)の完成 指向性制御技術の確立・音像フォログラムの実現 製品試験(JIS、ISO)の完了・製品アプリケーションの実装 女性医師のロコモ教育支援システムの確立 ロコモ対策のための体調管理通信システムの開発 空間シェアリング 技術の実用化 運動誘導/ 継続システム の実用化 ロコモ(発症・進展) を予防プログラム ・技術の実用化 ロコモ予防 動き続けるシニア 世代社会の実現 2 拠点技術の 医療施設展開推進 4 3 バイオ シグナルアート (2020年から本事業へ) 運動誘導/継続システムの実現、市場調査による実装戦略の策定 バイオシグナルアート技術 スマートウェア技術 空間シェリング技術 ロコモセンシング技術の開発 ロコモ予防支援のためのサプリメント・機器開発 ロコモ予防・改善のための運動プログラムの開発 空間シェア要素技術実現(フレキシブル超音波スピーカー) 空間シェアアプリケーション実現 スマートウェア技術とスポーツ・芸術の融合 要素技術/システムの社会実装試験による課題抽出と社会実装の加速 地域活性化を導く空間機能リファレンスモデル、運動誘導モデルの実現 女性医師参画ネットワーク構築とロコモ教育支援システムの完成 体調管理通信システム用の基本的技術の検証と完成 バイタルデータアート化システム(若手連携2017-2018) 新規課題として本事業採択 BKCスポーツ健康コモンズ(2017) 凡例 社会の変化、立命館大学拠点の変遷 005 006
オンラインでの遠隔 エクササイズ指導 スマートウェア技術 ママはオンラインフィットネス、 赤ちゃんはお昼寝、 子供はオンライン授業 空間シェアリング技術 職場での健康維持の 取り組みとして活用 バイオシグナルアート技術 拠点技術の統合システムイメージ Designed by freepik.com (2020年から本事業へ) 3技術(スマートウェア技術・空間シェリング技術・バイオシグナルアート技術) による社会実装の基盤コンセプトへ(2019 フェーズ 3 より) 選択と集中。 拠点外事業へ ロコモ予防による 生涯健康推進 スマートウェア製品化 2019~2022年 ●covid-19の世界的流行 ●緊急事態宣言の発令や一斉休校など生活が制限される ●国内で5Gのサービス開始 ●外出自粛で運動不足に陥りることによる「健康二次被害」 が加速 ●小学校にて「プログラミング教育」必須化 ●東京五輪、史上初めての延期決定 ●㈱ソニックアーク設立<COI発ベンチャー> ●デジタル庁が発足 ●緊急事態宣言下での五輪開幕 ★食マネジメント研究科設置 ●立命館大学内に「起業・事業化推進室」を設置 <アカデミア発の事業化支援> ●(株)Value Link Technology 設立予定(2022年1月) 京都新聞創刊140周年記念 KYOTO Sports Day 2019 ~みんなでカラダをうごかそう~ 草津市と連携して、イオン モール草津で健康イベント ●新元号「令和」発表、平成から令和へ ●スマホ決済サービスの登録者数が1500万人突破 ●テレビの視聴時間が緩やかに減少、20代ではイン ターネット利用時間が上回る ★グローバル教養学部を設置 ●(一社)スマートR推進協議会設立 <イノベーション・プラットフォームの構築> フェーズ3:事業化・社会実装 2019 2020 2021 2022 2019 2020 2021 Active for All の実現 アクティブ・フォー・オール拠点の軌跡 他用途検証(メンタルサポート) オンラインエクササイズ検証 マーケティング スマートウェア の実用化 1 空間シェアリング 技術の実用化 運動誘導/ 継続システム の実用化 ロコモ(発症・進展) を予防プログラム ・技術の実用化 ロコモ予防 動き続けるシニア 世代社会の実現 2 拠点技術の 医療施設展開推進 4 3 バイオ シグナルアート 社会の変化、立命館大学拠点の変遷 研究開発項目 スマートフィットネスシステム構築 スマートフィットネスシステムトライアル・事業検証 スマートフィットネスサービス事業展開 スマート教育教材効果検証 技術的課題対策・仕様検討 コンセプト・デザイン検証 他用途検証 マーケティング・量産設計 他用途検証 デバイス試作 感染予防の人流スマート化にむけた検証 (一社)生涯健康社会推進機構設立 有料化 事業展開 事業展開 量産設計 事業化(国内・海外) 技術的課題対策・仕様検討 主体企業決定 協業パートナー選定 コロナ禍より始動・webアプリ開発 COI発ベンチャー (株)ソニックアーク設立 仕様FIX 仕様FIX 仕様FIX バイオシグナルアート技術 スマートウェア技術 空間シェアリング技術 公開講座・運動教室のオンライン配信 呼吸・睡眠・癌研究用モデル設計 ピンスポットオーディオ医療現場への導入検討 医療 施設 展開 事業展開 アウトリーチ活動 2021/2/20 滋賀県運動スポーツ習慣化 促進事業@イオンモール草津 2021/5/6 草津市立市民交流センター オープニングイベント 2020/5/20 BiosignalAr(t webアプリ)公開 プレスリリース 2021/6/17-19 SPORTEC2021名古屋 @ポートメッセなごや 2021/11/13 みんなの健幸フェア @草津川跡地公園 ●・・・社会の動向 ★・・・立命館大学拠点の変遷 ●・・・プラットフォーム構築 および起業 凡例 創刊号 2016/8/25 vol.2 2016/12/5 vol. 6 健康寿命をのばすアクティブ情報誌 9/15 2020 運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくる アクティブ・フォー・オール拠点 文部科学省/国立研究開発法人科学技術振興機構 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM) 2020.9.15 vol.6 Active vol.3 2017/8/30 vol. 6 健康寿命をのばすアクティブ情報誌 9/15 2020 運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくる アクティブ・フォー・オール拠点 文部科学省/国立研究開発法人科学技術振興機構 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM) 2020.9.15 vol.6 Active vol.4 2018/8/30 vol. 6 健康寿命をのばすアクティブ情報誌 9/15 2020 運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくる アクティブ・フォー・オール拠点 文部科学省/国立研究開発法人科学技術振興機構 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM) 2020.9.15 vol.6 Active vol.5 2019/8/30 vol. 6 健康寿命をのばすアクティブ情報誌 9/15 2020 運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくる アクティブ・フォー・オール拠点 文部科学省/国立研究開発法人科学技術振興機構 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM) 2020.9.15 vol.6 Active vol.6 2020/9/15 拠点情報誌「Active」発刊 007 008
「アクティブ・フォー・オール拠点と、 次のステージに向けて」 しかし、研究開発と事業化を目指して取組を進めてきたものがすべて終了するわけではなく、プロジェクト終了後も継続するテーマ、 取り組みを加速する連携など、新しいステージへと続きます。 プロジェクトリーダー、研究リーダー、サテライトリーダーに総括とこれから描く未来についてお伺いしました。 009 「人生100年時代」はリンダ・グラットン教授により 提言され、本邦でも健康寿命の延伸は大きな社会課 題となっております。順天堂大学サテライト拠点は解 決にむけて 「身体の動きの見える化と寝たきりゼロ」 をテーマとして設定し、立命館大学拠点とアンダーワ ンルーフで製品開発と社会実装活動を展開して参りま した。 具体的には、医療におけるサービス展開として、医療 施設のより安全で安心な空間、また遠隔での医療サー ビスの実現に向けてアクティブ・フォー・オール拠点が 開発した技術を応用しました。 前者では、空間シェアリング技術として生まれた超 指向性スピーカを、コロナ禍でニーズが高まった病院 内での感染予防アナウンスに活用しました。ソーシャ ルディスタンスを保ちながら患者様へ個別で伝言でき、 感染リスクを抑えることができます。 後者では、スマートウェア技術を疾患の診断や治療 につながる生体データのモニタリングに活用しました。 呼吸や睡眠といった身体の状態を自宅で常時把握す ることによって医療の精度が高まることが期待できま す。 両成果はSociety 5.0時代のニーズにかなった医療 私がプロジェクトリーダーに着任させて頂いたのが4年 前、社会実装フェーズより担当させていただきました。「Active for All」というビジョンと、そのような社会が実現でき たら本当に素晴らしいと思いましたが、ビジョンの実現を目 指すにあたり目的はあくまで「自走できる社会実装」である と再確認しスタートしました。最初はなかなか難しいもので 苦労しましたが、何とか完了させたいという思いで進めてま いりました。 プロジェクトを進めるにあたり注力したことは、大学の研 究により開発された技術を価値=商品・事業に変えることで す。しかしこの時には様々な課題が出てきます。 例えば空間シェアリング事業におけるスピーカー技術を そのまま商品として出そうと思うとユーザー価格は50万円 ぐらいになります。それをどうコストダウンしていくのか、そ してそこから改めて技術を作りなおさないと商品にならな いため、完成した技術に対してもう一回技術開発的な要素 が必要となります。ここが一番苦労し10か月くらいかかりま した。このステージを誰が解決するのかというのが社会実 装に向けた大きな課題であり、更にはユーザー側が果たして 使う価値を感じてくれるのかどうかがポイントとなるため、 そこに対する投資をする企業も必要となります。 そこで2019年にイノベーション・プラットフォームとして 一般社団法人スマートアール推進協議会を設立しました。 そこでは一つ目にそれぞれの得意なものを持っておられる パートナーを探して、そのパートナーに参画頂きました。プロ モーションする機能や営業を広げるための機能もそこには 含まれます。二つ目は前述の通り課題である価値に変える R&D(研究開発)機能を組織の中に持ちました。 そのプラットフォームを活用し、各事業において、「Active for All」実現に向けてのスタートではありますが、運動をよ り楽しくという切り口で、それぞれのテーマは、自走できる 社会実装の入り口まで到達することができました。この9年 間の取り組み総括としては成功したと思っています。 そして、社会実装をできたとしても、「商品」というのは世 に出した瞬間から陳腐化していきます。一般的には発売して から長くても3年、そのあとどういう商品を作っていくか、ど のように機能をアップしていくか、どのような方向に持って いくかを戦略上まとめておき、新たな技術開発が必要かを 検証し、もう一度研究へ戻さねばなりません。そのためにも、 その事業成果の中の一部を当然研究費として戻していく エコシステムを構築することが求められています。そうする ことで新しい研究もでき、また新たな社会実装を実現する 仕組みを回していけるような、ベストプラクティスを作りた いという想いが出てきました。COIでのプロジェクトは終了 しますが、これがゴールではなくいよいよ社会実装のスター トとなります。これから更に事業的に面白いものとして発展 していくと思います。次のステージでも大学の中にある多く の技術の種を価値に変えることで産学連携による事業創出 につながることを期待しています。 人びとが知らず知らずのうちに運動を実践し、その 習慣を定着させる 「運動の生活カルチャー化」の実現に よって、健康寿命延伸し、「Active for All」となることを 目指して、大学、企業、自治体が連携して本事業を進め てきました。その実績と成果は、確実に積み上がってき ており、研究開発から社会実装につながり、今後は社会 システムへの影響、展開にまでつなげられるように進ん できています。 この間、科学技術基本計画において、 フィジカルとサ イバー空間を高度に融合させたシステムにより、経済 発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会 (Society5.0)が提唱されてきています。コロナ禍の中、 ICTが一気に加速する環境は、運動の生活カルチャー 化の取り組みにおいても、フィジカルとサイバーのそれ ぞれの強みと、さらには両者を融合した強みによって、 「運動誘導」が進むことにも挑戦してきています。 COI事業を通じて、大学では、起業・事業化推進室が 立ち上がり、大学発の研究成果、技術を社会に還元する ための組織ができました。さらには、COIでの研究成果、 技術シーズを事業化・社会実装を推進する一般社団法 人スマートアール推進協議会が立ち上がり、研究、開発、 人材育成から事業化・社会実装までを含めたイノベー ション・プラットフォームが構築できました。このプラッ トフォームの機能をさらに精緻化・最適化させていくこ とが求められます。 さらに立命館大学は、2030年に 「次世代研究大学」 となり、イノベーション・創発性人材とともに、社会共生 価値の創出することを目指しており、「Active for All」 の実現は、大学に中期計画の施策である「健康・長寿・ QOL・Welfareを総合した研究教育展開」につながり ます。その中で、COI事業の成果を継承し発展させるた め、学内にウェルビーイング総合研究所(仮)の設置を 構想しています。この研究所は「健康・長寿の実現」・「ま ち・社会の健康を実現」・「スポーツを通じたウェルビー イングの向上」を理念に掲げ、健康・ウェルフェア分野に おける総合的な研究を推進し、新しい学理の創生を追 及するとともに、これまでに構築したイノベーション・プ ラットフォームを利用して基盤技術開発、応用技術開発、 事業化・社会実装まで展開していきます。 「Active for All」実現とともに、社会共生価 値の創造拠点として発展することを、次の ステージでは目指していきます。 サービス提供になると考えます。 拠点の目標である「運動習慣の定着」はロコモティ ブシンドローム対策ともなります。 そこでロコモの見える化と予防へ効果的な運動プロ グラムを開発しました。 また、運動を継続するためにバイオシグナルアート 技術を東京藝術大学拠点とも連携して取り組みました。 運動指導は当初対面でしたが、コロナ禍での制限のた め、サイバー空間として順大さくら”筋活”講座をイン ターネットに開設したところ、運動不足解消ニーズにも マッチして登録会員数は千名を超えています。 最終年度では一般社団法人生涯健康社会推進機構 によりオンライン教室の事業化を開始しております。 9年間にわたった本活動にともなってヘルスケアの デジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいま す。その流れにも則り、今後は参加者様へ身体や運動 データのフィードバックを進めます。情報を健康増進 へ活かす仕組み創りは、これまで携わってきたアクティ ブ化計画のバージョンアップ版として想定しています。 身体の動きのセルフチェックをDX化して、いつまで も活躍し続ける人生100年時代に向けて皆様と取り組 んで参りたいと思います。 010 伊坂 忠夫 立命館大学副学長 スポーツ健康科部スポーツ健康科学科教授 アクティブ・フォー・オール拠点研究リーダー 内藤 久士 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科・教授 スポーツ健康医科学研究所・所長 アクティブ・フォー・オールサテライト拠点 サテライトリーダー 田中孝英 オムロンヘルスケア株式会社 商品・開発・生産SCM担当執行役員常務 開発統括本部本部長 アクティブ・フォー・オール拠点 プロジェクトリーダー COIプロジェクトは「10年後の日本が目指すべき姿」からバックキャストした研究開発として2013年 にスタートし、2022年3月に9年間のプロジェクトが終了します。
●エクササイズ体感デバイス(P14) ●BiosignalArt(web アプリ) 立命館大学(テクノロジー)、順天堂大学(スポーツ)、東京藝術大学(アート)の 三大学が連携し、ニューノーマル時代に対応した運動を点数や音楽表現に変換する web アプリを開発しました。(http://www.biosignal-art.net/) ●ポータブルピンスポットオーディオ(P13) ●ボイスピックアップマイク(P13) ●スマートR バイク・ザ・ライド(P12) スマートウェア事業 空間シェアリング事業 バイオシグナルアート事業 まるで大自然の森を走っているような映像の中、スマートウェアでセンシングした参加者の心拍数目標達成 率の合計により、迫りくる恐竜から逃げるゲーム感覚のバイクエクササイズエンターテイメント。 伸縮性のある薄さ0.3mmの導電性ペーストを使用したフレキシブル生体センサを応用し“、着るだけ”で、心拍数・運動関 節角度・呼吸・体温・発汗などの各種生体情報が計測できるスマートウェアを開発しました。また小型端末を接続すると測 定値をスマートフォン等に送ることができ、ユーザーへの計測結果のフィードバックや運動を誘発するためのアプリケー ションの開発も進めています。 研究開発内容「スマートウェア技術」 『スマートRバイク・ザ・ライド』ご提案 ●フィットネスクラブでの新規入会キャンペーン コンテンツ ●健康イベントでのスポーツエンターテイメントコーナー ●オンラインにて参加者の心拍数を確認しながら 運動指導に活用 立命館大学BKCスポーツ健康コモンズ 滋賀県草津市野路東1-1-1 TEL.077-599-4171 HOS株式会社 大阪府東大阪市下小坂2丁目11番7号 TEL. 06-6722-8009 ▶心拍数が指標となるため体力差・年齢差に関係なく実施可能 ▶参加者同士が協力し合う「共感」によりコミュニティを形成 ▶ゲームを楽しみながら無意識のうちに運動効果を実感 テーマーリーダー 塩澤 成弘 立命館大学 スポーツ健康科学部 教授 参画機関 立命館大学、オムロンヘルスケア株式会社、 HOS株式会社、東洋紡株式会社 イノベーション・プラットフォームの構築 “Active for All” 実現のプラットフォームと商品・サービス 拠点ビジョン「Active for All」実現のため、運動・健康に関する研究開発技術の事業化を推進する イノベーション・プラットフォーム構築を進めてきました。 商品・サービス 011 012 順天堂大学 起業・事業化推進室 ●事業化人材育成 ●起業·事業化支援 ウェルビーイング総合研究所(仮) ●COI成果の継承と拡張展開 参画企業 ●拠点技術のユーザー訴求価値 および仕様の検討 ●R&D、プロトタイプ開発 ●商品化・サービス化の方針策定・ 事業化プランの検討 ●企業への営業活動 ●パートナー企業コーディネート ●バリューチェーンマネジメント 連携 Active For All拠点 基盤技術開発 スマートR推進協議会 大学と企業をつなぐハブ パートナー企業 製造販売 協力企業 スマートRバイク・ザ・ライド スマートウェア事業 https://www.hos-g.co.jp 商品・サービス事業化メンバー HOS株式会社 医用生体工学・生体材料学, リハビリテーション科学・福祉工学, スポーツ科学 専門分野 お問合せ先 人材育成 研究・ 基盤技術開発 R&D パートナー企業 コーディネート 事業化・社会実装 事業化の委託・ ライセンス付与 技術指導 ライセンス料 ライセンス付与・ 技術指導 ライセンス料 立命館大学 その他プロモーション企業、設計会社、 制作受託企業、販売企業側など
指向性・直進性の強い超音波によって直線上に音を届けるパラメトリックスピーカーを応用したピンスポットオーディオを 開発しました。また、発声により誘発される喉周辺の肌の振動を肉伝導方式によりピックアップし読み取った音を機械学 習によりクリーンな音声に復元するマイクを開発しました。これらの技術により音で空間を分割・共有するプロダクト開発 を進めています。 研究開発内容「空間シェアリング技術」 『空間シェアリング』ご提案 ●屋外での運動イベントにおいて近隣住民の迷惑 にならず実施 ●ママ向け、キッズ向け教室を音の影響を受けず 同じフロアで実施 ●ハードなレッスンでもインストラクターは 「ささやき声」で声掛け可能 株式会社 Value Link Technology (2022年1月設立予定) 株式会社ソニックアーク<COI発ベンチャー> 京都府京都市上京区宮垣町91-102 TEL. 075-708-6442 運動により発生する生体信号を音や映像など視覚・聴覚など芸術表現に変換する技術により楽しく運動へと誘導し、また 運動の継続を実現することを目指しています。自分のトレーニング動作が点数や映像音楽表現でフィードバックされる ウェブアプリ、光や音、衝撃などにより自分のエクササイズ効果を感覚的に体感できるデバイス等の商品・サービスの事 業化を進めています。 研究開発内容「バイオシグナルアート技術」 『エクササイズ体感デバイス』ご提案 ●オンライントレーニングの満足度・継続率向上 ●非接触にて指導可能なトレーニングデバイス としての導入 株式会社STYLE 大阪市福島区福島2-10-11 秋元ビル1F TEL. 06-4300-5546 014 013 空間シェアリング事業 バイオシグナルアート事業 画像:株式会社ソニックアーク提供 スピーカー折りたたみ時 ボイスピックアップマイク ポータブルピンスポットオーディオ この人・このエリアだけに音を届けたい場合に空間 を壁で仕切らず音で区分けできるスピーカー。 肌の振動(肉伝導方式)で声を感知するボイスピック アップマイク。 ▶物理的な壁ではなく音で空間を仕切る ことが可能 ▶限られたスペースで、運動空間を有効 利用 ▶ささやき声で飛沫を防止しつつ音声を 届けることが可能 ▶周囲の騒音をカットして、自分の声だけ をピックアップ https://www.sonic-arc.com センサを組み込んだデバイスを使用することで、トレーニングの状態を見える化する。 現在はキックボクシングの動きを題材に、筋肉の動きをセンシングして正しく運動を行えているかを光や音 でフィードバックするデバイスを開発している。加えて、衝撃を発生させるデバイスを組み込み、家でもジム でミット打ちをしているかのような爽快感が味わえます。 ▶光と音のフィードバックによって正しくトレーニングできているかを自分で認識 ▶機材をそろえることができないオンライントレーニングでもジム同様の爽快感 ▶トレーニングを楽しいものにすることで継続率が上昇 エクササイズ体感デバイス https://kick-style.com/ 商品・サービス事業化メンバー 株式会社STYLE 株式会社ソニックアーク (2022年1月設立予定) 株式会社 Value Link Technology 立命館大学 情報理工学部 教授 音響科学、オーディオ科学、デジタル信号処理 専門分野 医用システム, 応用健康科学, 知覚情報処理・知能ロボティクス, 感性情報学・ソフトコンピューティング 専門分野 商品・サービス事業化メンバー お問合せ先 お問合せ先 テーマーリーダー 西浦 敬信 参画機関 立命館大学、パナソニック株式会社、 大和ハウス工業株式会社、 株式会社デンケン テーマーリーダー 岡田 志麻 立命館大学 理工学部 准教授 参画機関 立命館大学、順天堂大学、オムロンヘルスケア株式会社
医療施設での展開推進 スマートウエア技術 喘息患者のモニタリング スマートアイマスク ドライアイ対策におけるスマートアイマスクを開発しモニタリングを進 めています。個別化治療のために温度調節機能付きのアイマスクデ バイスが必要であり、これまでの研究の取り組みとして加温機能型の プロトタイプ機を開発しています。今後はスマート温罨法(おんあん ぽう)を実施するデバイスを開発し臨床試験へと進める予定です。 喘息応用に向け、咳嗽(がいそう)との識別や院外、診療 時間外の患者さまの生活空間におけるモニタリング、特に 夜間モニタリングの確度の向上によりリモート診療へつな げてまいります。喘息患者の夜間の状態を知ることが臨床 上、非常に重要であることから、これまでには、聴診や胸 郭センサの仕様を検証し、現在はプロトタイプの シンプル なデバイス作成を目指しています。今後は、プロト機を用 いたデータ収集を行い、AI による機械学習をおこなって、 デバイスを開発し 臨床試験を行う予定です。 【ドライアイの原因と対策】 マイボーム腺の不調がドライアイの原因と なっており、眼瞼部を温めることで改善が 可能となっています。 【アイマスクの開発】 皮膚温測定と温度調節が可能 であり、マイボーム腺機能を改 善する適切な温度環境に設定 することができます。 青い矢印がマイボーム腺開口部 2019年に複数COI拠点の若手連携研究として採択される。本研 究は一般学生が「SDGs」をテーマに協働で社会実装イベントに 取り組むなど、学生の学びの場としてだけでなく、市民が科学に 親しむ場の形成を目指し活動を進めてきた。その結果、2020年 度より、JST構造化チーム直下の若手組織に発展し「、若手部会」 共創支援グループの活動として取り組むこととなり、リーダーと して活動を牽引してきた。また、作家でもある側面を活かし「人に 伝える力を科学する」をテーマに、サイエンスライティング 講座をオンラインで配信。高校生、一般学生、若手研究者の参 加もあり、若手人材と未来の研究者へ別の角度からも支援を続 けている。 ▶採択された連携研究テーマ ●「大学生がプロデュースする複数 COI 拠点による協働社会実装 イベント「COI x SDGs produced by Students」の実現と方 法論の構築」(2019年度採択) 乳がん術後の上肢可動域改善リハビリ 順天堂大学医学部附属病院における院内指導や院外評価 のためのデバイスの開発を進めており、上肢動センサープ ロト機の評価まで達成しています。今後はデバイスの開発 を進め、臨床試験を行ってまいります。入院中1~2週間の 間にプロト機にて指導を行うことで、ご自宅に帰宅後もご 自身でリハビリをおこなってもらうといったセルフケアの最 適化を目指し、リハビリの継続化がスムーズにいくように 進めてまいります。 空間シェアリング技術 バイオシグナルアート技術 スマートアナウンス 「ウェブアプリ Biosignal Art」を活用した運動指導 順天堂大学医学部附属病院内に指向性スピーカーの設置 を進めています。「ソーシャルディスタンスご協力のお願 い」など必要なアナウンスを必要な人へのみ届ける静かな 院内環境づくりに役立ててまいります。指向性スピーカー を設置することで、アナウンス音声が騒音とならず、今ま で通り穏やかな空間を保ち続けることが可能です。さらに 検温や消毒のお声がけも スマートに行えます。 感染予防アナウンスシス テムにより、安全で安心 な院内環境が期待されて います。 順天堂大学さくらオンライン運動教室にて3大学により共同開発され た「ウェブアプリ Biosignal Art」の活用を実施しています。 COI拠点の成果技術を基盤にして、医療施設におけるメディカル・ニーズを満たす製品・サービスの応用開発を、 順天堂大学スポーツ健康科学研究科内藤久士教授をテーマリーダーとし、順天堂大学、立命館大学、連携企業と のアンダーワンルーフ体制により進めています。 若手人材の活躍促進 若手連携研究ファンド採択状況(抜粋) 当拠点の若手研究者は、COIの研究開発はもちろん、学会発表や講演活動など様々な場面で活躍しています。 COIプログラムにおいては、若手の活躍を促進する機会として、「COI若手連携ファンド」が実施されており、当 拠点から期間中 15件が採択され、様々な分野での今後の活躍が期待されています。 猪俣武範 順天堂大学大学院 医学研究科 眼科学 准教授 近年発展の著しい「デジタル分野」において、 その活用により政府の掲げる「Society5.0」 の実現にも寄与することが期待されている若 手連携研究ファンド(デジタル分野)に2020年度に採択され、スマ ホアプリ「ドライアイリズム」用いたクラウド型大規模臨床研究実施 による個別医療ビッグデータの収集・解析によるドライアイの自覚 症状と重症化因子の層別化の研究課題に取り組む。また、立命館大 学塩澤成弘教授のスマートウェア技術を用いたスマートアイマスク の開発にも着手し、事業化を目指して産学連携を進めている。 ▶採択された連携研究テーマ ●「スマホアプリで収集した医療ビッグデータ解析によるドライ アイの個別化医療と先制医療実現のための研究(」2020年度 デジタル分野採択) 岡田志麻 立命館大学 理工学部 准教授 ビジョン横断的に様々なテーマで連携を進 め、2017年- 2018年に若手連携研究ファン ドに採択された研究テーマ「バイタルデータ のアート化システム」が2020年度より拠点本事業として採択され る。その後、東京藝術大学COI拠点との連携によりバイオシグナ ルアート事業を牽引中。また、超高齢化社会や地球温暖化問題な ど重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーン ショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究を推進する制度「ムーン ショット型研究開発制度」におけるミレニア・プログラムにも採択さ れ更なる活躍が期待される。 茜灯里 立命館大学 総合科学研究機構 助教 JST 構造化チーム「若手部会」共創支援グループリーダー 沢田秀司 順天堂大学 COI プロジェクト室 博士研究員 2018年度に立命館大学岡田准教授らとの連 携研究において若手連携研究ファンドに採択 されたテーマが2020年度より拠点本事業と して採択され、コロナ禍における対応としてウェブアプリの開発を 進めてきた。また、順天堂大学内藤久教授、町田修一教授らと共 に、ロコモ予防のための運動介入研究を行い、血液中のタンパク 質の一種であるアルブミンが低負荷レジスタンストレーニングの 効果を予測するバイオマーカーとなる可能性を明らかにするな ど、更なる活躍が期待される。(詳しくはP17に記載) ▶採択された連携研究テーマ ●「社会実装を目標としたバイタルデータアート化システムの 実現(」2018年度採択) ▶採択された連携研究テーマ ●「運動誘導継続に向けたバイタルデータのアート化システム の構築と社会実装にむけた研究開発(」2017年度採択) ●「社会実装を目標としたバイタルデータアート化システムの 実現(」2018年度採択) ●「低出生体重児の客観的理解を目指した生理学的指標の解明 と睡眠介入プログラムの開発に向けた基盤研究(」2019年度 採択) ●「ほぐして眠る:良質な睡眠・緊張回復のための刺激技術の開発 ~中医学的刺激法の導入に関する研究~(」2019年度採択) 016 015
ショッピングモールにて運動誘導コンテンツの事業検証を実施 2021年9月18日(土)イオンモール伊丹(兵庫県伊丹市)にて「おもし ろフィットネスでヘルシーチャレンジ、やってみよう!」が開催され、当 拠点から【スマートRバイク・ザ・ライド】【BiosignalAr(t Webアプ リ)】の体験コーナーを設置しました。 イオンモールでは「SDGsWeek」と題してサステナブルな社会の実 現のために、くらしの未来を考える地域ならではの取り組みを進めて おり、同店舗では親子で運動を楽しむコーナーとして当拠点の研究成 果を取り入れて頂きました。ショッピングモールでの事業検証は初め ての試みでしたが、ファミリー層を中心として多くの方に楽しく運動を 体験していただき、途中から予約でいっぱいになるほどの人気となり ました。ご参加頂いた方からは「子供と一緒にできたのがとても嬉し かった。」「これならスポーツをやっていない人でも続けることができる と思う。」など、たくさんの嬉しい感想を頂きました。 「The Lab.みんなで世界一研究所」に立命館大学西浦研究室の研究成果を展示 2021年9月30日(木)より「The Lab.みんなで世界一研究所(グラン フロント大阪・ナレッジキャピタル内)」において、立命館大学情報理工 学部音情報処理研究室(西浦敬信教授)の研究成果展示がスタートし ました。本展示は、大阪の中心部にある複合施設内にあり、企業や大学 などのエキサイティングな技術や活動を、大人から子どもまで、楽しく わかりやすく紹介するものです。 本研究室からは、レーザー光で振動を遠方から読み取り、振動情報 を音声に変換したうえでスピーカから再生するという、光レーザーマイ クロホンの技術を紹介しています。また、紙コップに向かって話したと きの声による紙コップの振動を、レーザー光の干渉を使って遠方から 読み取り、音声に変換するという技術を「糸なし糸電話」として実際に 体験することができ、本展示は2021年12月末頃まで展示予定です。 順天堂大学COIプロジェクト室の沢田秀司 博士研究員、順天堂 大学大学院スポーツ健康科学研究科の内藤久士 教授、町田修一 教 授らの研究グループは、ロコモ予防のための運動介入研究の結果、血 液中のタンパク質の一種である血清アルブミン*1が低負荷レジスタ ンストレーニングの効果を予測するバイオマーカーになることを明 らかにしました。本研究では、運動介入前の血清アルブミンレベルに 着目したところ、低栄養(3.5g/dL未満)には該当しない状態であって も、4.1g/dL未満と比較的低値である場合には、トレーニングで期待 される筋量増加等の効果が適切に得られないことがわかりました。 これは順天堂大学が取り組んできたCOIプロジェクトの研究成果で あり、トレーニングの効果を適切に得るためには栄養状態の改善が 必要であることを示唆するものです。本研究はBMC Geriatrics誌 にて、2021年8月18日に公開されました。 *1 血清アルブミン:血液中のタンパク質の一種であり、血清タンパク質の約 50~65%を占める。肝障害、腎不全、ネフローゼ症候群、低栄養状態、妊娠に より低下する。 図1:運動介入前の血清アルブミンレベルが筋肥大に及ぼす影響 運動介入前の血清アルブミンレベルが比較的低いグループ (4.1g/dL未満)では、筋力トレーニングで期待される筋量増加の 効果が適切に得られないことが、明らかになりました。 ロコモ予防のトレーニング効果を適切に得るためには栄養状態が鍵 ~血清アルブミンがトレーニング効果予測のバイオマーカーに~ NEWS & TOPICS 立命館大学では、リサーチオフィスが研究関連の一元窓口として活動し、研究者の情報と学外からの多様なニーズ を集約しています。そのため、課題に応じて最適なフォーメーションを構築し、スムーズな産学官連携活動を推進す ることが可能です。 [自然科学系]BKCリサーチオフィス 民間企業・官公庁 研究者・研究組織 [人文科学系]衣笠リサーチオフィス [社会科学系]OICリサーチオフィス 産学官連携推進機能 リエゾン 研究推進・研究支援機能 プロジェクト推進 地域連携・事業化推進機能 地域イノベーション創出 詳しくはホームページをご覧ください http://www.ritsumei.ac.jp/research/ 立命館大学 BKCリサーチオフィス TEL:077-561-2802 FAX:077-561-2811 リサーチオフィスはone stop serviceにて民間企業や公的研究機関との研究交流を推進します。 お問い合せ先 草津市連携事業「食と運動の健幸体験チャレンジ」を開催 草津市は健幸都市づくりに取り組んでおり、その一環として当拠点 との連携イベントを2021年10月24日(日)にイオンモール草津(滋賀 県草津市)にて開催しました。 当拠点からはスマートウェア事業にて研究開発された親子で楽しむ ことができるバイクプログラム【スマートRバイク・ザ・ライド】を実施 し、草津市からは「食育SATシステム」にて食事バランスチェックとして ICタグを内蔵した臨場感ある実物大のフードモデルを使い、楽しく健 幸体験をして頂きました。合計約200名と大変多くの方にご参加頂き、 年齢層も3歳~80歳と幅広い世代の方にご参加頂きました。 また、アンケート(109名回答)において『チャレンジされた健幸体験 コンテンツは「楽しかった」ですか』の設問に、強くそう思う(66%)、そ う思う(32%)と、「楽しかった」と感じた方が98%で、楽しい健幸体 験プログラムを提供することができました。 滋賀県レイカディア大学「ACTIVE5健幸体操講座」を開催 2021年11月4日(木)立命館大学びわこ・くさつキャンパスに、「滋賀 県レイカディア大学」の皆さんをお招きし、当拠点の研究成果である ACTIVE5を活用した健幸体操講座を実施しました。レイカディア大学 とは60歳以上が新しい知識や教養・技術を身につける大学ですが、今 回は60代後半~80代前半の方にご参加頂きました。 ACTIVE5は立命館大学と順天堂大学が考案した3世代で実施でき るオリジナルのロコモ予防体操ですが、本講座では振付を担当した増 田先生よりシニアバージョンの5つの運動要素をレクチャー頂き、加え て身体計測会を実施し認知機能を測るテストや体組成測定など10 項目の測定を実施しました。 また、当拠点にて研究開発した【BiosignalAr(t Webアプリ)】の体 験コーナーをレイカディア大学構内に約1か月間設置し、コロナ禍でも 自宅で取り組める運動ツールの一つとしてご紹介させて頂きました。 ※すべてのイベントは感染症対策を行った上で実施しています 018 017
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