ACTIVE Vol7

医療施設での展開推進 スマートウエア技術 喘息患者のモニタリング スマートアイマスク ドライアイ対策におけるスマートアイマスクを開発しモニタリングを進 めています。個別化治療のために温度調節機能付きのアイマスクデ バイスが必要であり、これまでの研究の取り組みとして加温機能型の プロトタイプ機を開発しています。今後はスマート温罨法(おんあん ぽう)を実施するデバイスを開発し臨床試験へと進める予定です。 喘息応用に向け、咳嗽(がいそう)との識別や院外、診療 時間外の患者さまの生活空間におけるモニタリング、特に 夜間モニタリングの確度の向上によりリモート診療へつな げてまいります。喘息患者の夜間の状態を知ることが臨床 上、非常に重要であることから、これまでには、聴診や胸 郭センサの仕様を検証し、現在はプロトタイプの シンプル なデバイス作成を目指しています。今後は、プロト機を用 いたデータ収集を行い、AI による機械学習をおこなって、 デバイスを開発し 臨床試験を行う予定です。 【ドライアイの原因と対策】 マイボーム腺の不調がドライアイの原因と なっており、眼瞼部を温めることで改善が 可能となっています。 【アイマスクの開発】 皮膚温測定と温度調節が可能 であり、マイボーム腺機能を改 善する適切な温度環境に設定 することができます。 青い矢印がマイボーム腺開口部 2019年に複数COI拠点の若手連携研究として採択される。本研 究は一般学生が「SDGs」をテーマに協働で社会実装イベントに 取り組むなど、学生の学びの場としてだけでなく、市民が科学に 親しむ場の形成を目指し活動を進めてきた。その結果、2020年 度より、JST構造化チーム直下の若手組織に発展し「、若手部会」 共創支援グループの活動として取り組むこととなり、リーダーと して活動を牽引してきた。また、作家でもある側面を活かし「人に 伝える力を科学する」をテーマに、サイエンスライティング 講座をオンラインで配信。高校生、一般学生、若手研究者の参 加もあり、若手人材と未来の研究者へ別の角度からも支援を続 けている。 ▶採択された連携研究テーマ ●「大学生がプロデュースする複数 COI 拠点による協働社会実装 イベント「COI x SDGs produced by Students」の実現と方 法論の構築」(2019年度採択) 乳がん術後の上肢可動域改善リハビリ 順天堂大学医学部附属病院における院内指導や院外評価 のためのデバイスの開発を進めており、上肢動センサープ ロト機の評価まで達成しています。今後はデバイスの開発 を進め、臨床試験を行ってまいります。入院中1~2週間の 間にプロト機にて指導を行うことで、ご自宅に帰宅後もご 自身でリハビリをおこなってもらうといったセルフケアの最 適化を目指し、リハビリの継続化がスムーズにいくように 進めてまいります。 空間シェアリング技術 バイオシグナルアート技術 スマートアナウンス 「ウェブアプリ Biosignal Art」を活用した運動指導 順天堂大学医学部附属病院内に指向性スピーカーの設置 を進めています。「ソーシャルディスタンスご協力のお願 い」など必要なアナウンスを必要な人へのみ届ける静かな 院内環境づくりに役立ててまいります。指向性スピーカー を設置することで、アナウンス音声が騒音とならず、今ま で通り穏やかな空間を保ち続けることが可能です。さらに 検温や消毒のお声がけも スマートに行えます。 感染予防アナウンスシス テムにより、安全で安心 な院内環境が期待されて います。 順天堂大学さくらオンライン運動教室にて3大学により共同開発され た「ウェブアプリ Biosignal Art」の活用を実施しています。 COI拠点の成果技術を基盤にして、医療施設におけるメディカル・ニーズを満たす製品・サービスの応用開発を、 順天堂大学スポーツ健康科学研究科内藤久士教授をテーマリーダーとし、順天堂大学、立命館大学、連携企業と のアンダーワンルーフ体制により進めています。 若手人材の活躍促進 若手連携研究ファンド採択状況(抜粋) 当拠点の若手研究者は、COIの研究開発はもちろん、学会発表や講演活動など様々な場面で活躍しています。 COIプログラムにおいては、若手の活躍を促進する機会として、「COI若手連携ファンド」が実施されており、当 拠点から期間中 15件が採択され、様々な分野での今後の活躍が期待されています。 猪俣武範 順天堂大学大学院 医学研究科 眼科学 准教授 近年発展の著しい「デジタル分野」において、 その活用により政府の掲げる「Society5.0」 の実現にも寄与することが期待されている若 手連携研究ファンド(デジタル分野)に2020年度に採択され、スマ ホアプリ「ドライアイリズム」用いたクラウド型大規模臨床研究実施 による個別医療ビッグデータの収集・解析によるドライアイの自覚 症状と重症化因子の層別化の研究課題に取り組む。また、立命館大 学塩澤成弘教授のスマートウェア技術を用いたスマートアイマスク の開発にも着手し、事業化を目指して産学連携を進めている。 ▶採択された連携研究テーマ ●「スマホアプリで収集した医療ビッグデータ解析によるドライ アイの個別化医療と先制医療実現のための研究(」2020年度 デジタル分野採択) 岡田志麻 立命館大学 理工学部 准教授 ビジョン横断的に様々なテーマで連携を進 め、2017年- 2018年に若手連携研究ファン ドに採択された研究テーマ「バイタルデータ のアート化システム」が2020年度より拠点本事業として採択され る。その後、東京藝術大学COI拠点との連携によりバイオシグナ ルアート事業を牽引中。また、超高齢化社会や地球温暖化問題な ど重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーン ショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究を推進する制度「ムーン ショット型研究開発制度」におけるミレニア・プログラムにも採択さ れ更なる活躍が期待される。 茜灯里 立命館大学 総合科学研究機構 助教 JST 構造化チーム「若手部会」共創支援グループリーダー 沢田秀司 順天堂大学 COI プロジェクト室 博士研究員 2018年度に立命館大学岡田准教授らとの連 携研究において若手連携研究ファンドに採択 されたテーマが2020年度より拠点本事業と して採択され、コロナ禍における対応としてウェブアプリの開発を 進めてきた。また、順天堂大学内藤久教授、町田修一教授らと共 に、ロコモ予防のための運動介入研究を行い、血液中のタンパク 質の一種であるアルブミンが低負荷レジスタンストレーニングの 効果を予測するバイオマーカーとなる可能性を明らかにするな ど、更なる活躍が期待される。(詳しくはP17に記載) ▶採択された連携研究テーマ ●「社会実装を目標としたバイタルデータアート化システムの 実現(」2018年度採択) ▶採択された連携研究テーマ ●「運動誘導継続に向けたバイタルデータのアート化システム の構築と社会実装にむけた研究開発(」2017年度採択) ●「社会実装を目標としたバイタルデータアート化システムの 実現(」2018年度採択) ●「低出生体重児の客観的理解を目指した生理学的指標の解明 と睡眠介入プログラムの開発に向けた基盤研究(」2019年度 採択) ●「ほぐして眠る:良質な睡眠・緊張回復のための刺激技術の開発 ~中医学的刺激法の導入に関する研究~(」2019年度採択) 016 015

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=